○皆野町有害鳥獣捕獲許可事務取扱要領

平成19年6月15日

告示第62号

(趣旨)

第1条 この要領は、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(平成14年法律第88号。以下「法」という。)第9条の規定に基づく有害烏獣捕獲に係る許可(以下「許可」という。)事務の取扱いについては、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律施行規則(平成14年環境省令第28号。以下「規則」という。)、知事の権限に属する事務処理の特例に関する条例(平成11年埼玉県条例第61号)に規定するほか、町が処理する必要な事項を定めるものとする。

(用語の定義)

第2条 この要領において用語の定義は、次の各号に定めるところによる。

(1) 「有害鳥獣捕獲」とは、法第9条の規定に基づく鳥獣の捕獲等及び鳥類の卵の採取等の許可のうち、鳥獣による生活環境、農林水産業又は生態系に係る被害の防止の目的で鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等をすることをいう。

(2) 「被害」とは、鳥獣による生活環境、農林水産業又は生態系に係る被害をいう。

(3) 「捕獲等」とは、鳥獣の捕獲等及び鳥類の卵の採取等をいう。

(4) 「外来鳥獣」とは、我が国に過去あるいは現在の自然分布域を有しておらず、人為的に海外から導入された鳥獣及び我が国に自然分布域を有しているが、人為的に過去あるいは現在の自然分布域を越えて国内の他地域に導入され、生態系や農林水産業等に係る被害を生じさせている鳥獣をいう。

(5) 「予察捕獲」とは、有害鳥獣捕獲のうち、常時捕獲等を行い、生息数を低下させる必要があるほど強い害性が認められ、被害のおそれがある場合に、事前に計画をたてて該当種を一定数捕獲等すること。

(6) 「被害発生予察表」とは、野生鳥獣による被害のうち、恒常的に発生する被害について、加害鳥獣名、被害・影響の発生時期、発生地域等について記入し、事前に被害の発生状況を予測するために作成したものをいう。

(7) 「法人」とは、法第9条第8項の規定に基づき、環境大臣が定める法人で、農業協同組合、森林組合、漁業協同組合等をいう。

(8) 「所長」とは、埼玉県秩父環境管理事務所長をいう。

(9) 「登録狩猟」とは、法第11条第1項第1号の規定に基づき行う狩猟鳥獣の捕獲等をいう。

(有害鳥獣捕獲についての基本的考え方)

第3条 許可の考え方については、次のとおりとする。

(1) 有害鳥獣捕獲は、被害が現に生じているか又はおそれがある場合に、その防止及び軽減を図るために行うものとする。その捕獲等は、原則として被害防除対策によっても被害が防止できないと認められるときに行うものとする。

(2) 狩猟鳥獣、カワラバト(ドバト)又はニホンザル以外の鳥獣については、被害が生じることはまれであり、従来の許可実績もごくきん少であることにかんがみ、これらの鳥獣についての捕獲許可は、特に慎重に取り扱うものとする。

なお、外来鳥獣による被害の防止を図る場合にあっては、当該外来鳥獣を根絶又は抑制するため、積極的な有害鳥獣捕獲を図るものとする。

(3) 埼玉県レッドデータブック動物編掲載種の捕獲許可は特に慎重に取り扱うものとし、継続的な捕獲等が必要となる場合は、生息数等の推定に基づき、捕獲数を調整するなど適正な捕獲等が行われるよう計画的に行わせるものとする。このような種については、特に、有害鳥獣捕獲と紛らわしい形態を装った不必要な捕獲等の生じることのないように各方面を指導するとともに、地域の関係者の理解の下に、捕獲等した個体を、被害が及ぶおそれの少ない地域へ再放獣させるなど、生息数の確保に努めることも検討するものとする。

(4) 予察捕獲を実施する場合には、埼玉県鳥獣保護管理事業計画で示した鳥獣を対象として種類別、四半期別及び地域別による被害発生予察表を作成するものとする。

被害発生予察表の作成に当たっては、過去5年間の鳥獣による被害の発生状況及び鳥獣の生息状況について、地域の実情に応じ、学識経験者等の意見を聴取しつつ、調査及び検討を行うものとし、捕獲数の上限を設定する等、許可の方針を明らかにするものとする。

なお、被害発生予察表に係る被害の発生状況については、毎年点検し、その結果に基づき必要に応じて予察捕獲の実施を調整するなど適切に対処するものとする。

(5) 有害鳥獣捕獲の実施に当たっては、関係諸機関との連携の下、捕獲等の実施や被害防除施設の整備等が総合的に推進されるよう努めるものとする。また、農林水産業等と鳥獣の保護との両立を図るため、総合的、効果的な防除方法、狩猟を含む個体数管理等、鳥獣の適正な管理方法を検討し、所要の対策が講じられるよう努めるものとする。

(6) 人が排出する生ごみ等への依存が、鳥獣による被害の誘因となっていることにかんがみ、被害防止の観点から、生ごみ等の適正な処理や餌やり行為の防止について、関係方面に必要な指導を行うものとする。

2 許可をしない考え方については、次のとおりとする。

(1) 捕獲後の処置の予定等に照らして明らかに捕獲等の目的が有害鳥獣捕獲ではないと判断される場合。

(2) 捕獲等によって特定の鳥獣の地域個体群に絶滅のおそれを生じさせたり、絶滅のおそれを著しく増加させるなど鳥獣の保護に重大な支障を及ぼすおそれのある場合。ただし、人為的に導入された鳥獣により生態系に係る被害が生じている地域又は新たに人為的に導入された鳥獣の生息が認められ、今後被害が予想される地域における当該鳥獣による当該地域の生態系に係る被害を防止する目的で捕獲等をする場合はこの限りではない。

(3) 鳥獣の生息基盤である動植物相を含む生態系を大きく変化させるなど、捕獲等によって生態系の保護に支障を及ぼすおそれがある場合。

(4) 捕獲等に際し、住民の安全の確保や社寺境内、墓地における捕獲等を認めることによりそれらの場所の目的や意義の保持に支障を及ぼすおそれのある場合。

(5) 特定猟具使用禁止区域(銃)内で銃猟を行う場合であって、銃猟によらなくても捕獲等の目的が達せられる場合、又は、特定猟具使用禁止区域(銃)内における銃猟に伴う危険の予防若しくは法第9条第3項第4号に規定する指定区域の静穏の保持に著しい支障が生じる場合。

(許可の申請)

第4条 有害鳥獣捕獲許可申請(様式第1号)をできる者は、次のとおりとする。

1 被害者又は被害者から依頼された者

2 国又は地方公共団体

3 法人

なお、被害者から依頼された者が申請する場合は、有害鳥獣捕獲依頼書(様式第2号)を添付するものとする。

(許可の手続と基準)

第5条 町長が行う許可手続は、次のとおりとする。

(1) 許可の申請があったときは、速やかに被害の実態調査書(様式第3号)を行うものとする。ただし、申請者が国、地方公共団体又は法人であって緊急に捕獲等が必要と認められる場合は、申請書に被害の状況を明らかにした緊急性を証する書面を添付させ、実態調査に代えることができるものとする。

(2) 実態調査等により、捕獲等の必要があると認められた場合に許可し、次の書類等を交付するものとする。ただし、及びについては、申請者が法人である場合に交付するものとする。

 鳥獣捕獲許可証(以下「許可証」という。)

 従事者証

 腕章(貸与)

 鳥獣捕獲事業指示書(様式第4号。以下「指示書」という。)の用紙

 鳥獣捕獲従事者台帳(様式第5号。以下「従事者台帳」という。)の用紙

(3) 捕獲等の許可をしたときは、有害鳥獣捕獲許可台帳(様式第6号)を整備するものとする。

(4) 捕獲等の許可をしたときは、速やかに所長及び秩父警察署長に通知(様式第7号)するものとする。

2 許可の基準については、次のとおりとする。

(1) 鳥獣の種類及び数量については、管内における鳥獣の生息状況を踏まえ、被害等の防止、軽減の目的を達成するために必要最小限の適切な種類及び数量とする。

また、鳥類の卵の採取の許可は、原則として次のいずれかの要件に該当する場合のみ対象とする。

 現に被害等を発生させている鳥類を捕獲等することが困難であり、卵の採取等を行わなければ、被害を防止する目的が達成できない場合

 建築物等の汚染等を防止するため、巣を除去する必要があり、併せて卵の採取等を行わなければ被害等を防止する目的が達成できない場合

(2) 有害鳥獣捕獲の実施期間については、次のとおりとする。

 有害鳥獣捕獲の実施期間は、原則として、下記の期間を上限とし、被害が生じている時期のうち最も効果的に捕獲等が実施できる時期であって、地域の実情に応じて、捕獲等を無理なく実施するために必要かつ適切な期間とするものとする。ただし、被害の発生が予察される場合、飛行場の区域内において航空機の安全な航行に支障を及ぼすと認められる鳥獣を対象として有害鳥獣捕獲をする場合など特別な事由が認められる場合は、この限りでない。

ハシボソガラス、ハシブトガラス及びカワラバト(ドバト)

銃器

1か月

捕獲箱

6か月

その他の鳥類

銃器

1か月

2か月

獣類

銃器

1か月

わな

6か月

※ 銃器及びわなを併用する場合は、わなの期間を上限とする。

 有害鳥獣捕獲対象以外の鳥獣の繁殖に支障がある期間は避けるように考慮するものとする。

 狩猟期間及びその前後における有害鳥獣捕獲の許可については、登録狩猟又は狩猟期間の延長と誤認されるおそれがないよう、当該機関における有害鳥獣捕獲の必要性を十分審査するなど、適切に対応するものとする。

 予察捕獲の許可については、被害発生予察表に基づき計画的に行うよう努めるものとする。

(3) 有害鳥獣捕獲を実施する区域は、被害の発生状況に応じ、その対象となる鳥獣の行動圏域を踏まえて被害の発生地域及び隣接地等を対象とすることとし、その範囲は必要かつ適切な区域とするものとする。

鳥獣保護区又は休猟区における許可は、鳥獣の保護管理の適正な実施が確保されるように行うこととし、他の鳥獣の繁殖に支障が生じないよう配慮させることとする。特に、集団渡来地、集団繁殖地、希少鳥獣生息地の保護区等鳥獣の保護を図ることが特に必要な地域にあっては、捕獲等の許可について慎重な取扱いをするものとする。

(4) 有害鳥獣捕獲の方法は、従来の実績を考慮した最も効果のある方法とし、原則として法第12条第1項、第2項及び第36条の規定により禁止されている捕獲方法は除くものとする。ただし、ハシボソガラス、ハシブトガラス及びカワラバト(ドバト)等鳥類の捕獲箱による捕獲等の場合を除く。

また、空気銃を使用した捕獲は、対象を負傷させた状態で取り逃がす危険性があるため、中・小型鳥類の捕獲等に限ってその使用を認めるものとする。

なお、鉛製散弾を対象とした法第15条第1項の規定に基づく指定猟法禁止区域及び法第12条第1項又は第2項に基づき鉛製散弾の使用禁止区域にあっては禁止された鉛製散弾は使用しないものとする。

(5) 有害鳥獣捕獲の実施者の数は必要最小限とし、次の要件を満たしている者とする。ただし、ハシボソガラス、ハシブトガラス及びカワラバト(ドバト)等鳥類の捕獲箱による捕獲等の場合を除く。

 当該捕獲方法に該当する狩猟免許を有し、原則として当該年度又は前年度において狩猟者登録を行っていること。ただし、鳥獣による被害を受けている住宅敷地若しくは農地を所有若しくは管理する者又はその者から捕獲等の依頼を受けた者が、わなを使用してその住宅敷地内又は農地内で捕獲等する場合は、狩猟者登録を要しないこととする。また、以下の場合は、鳥獣の保護に重大な支障を及ぼすおそれがあるとき又は捕獲した個体の適切な処分が出来ないと認められるときを除き、狩猟免許を受けていない者に対しても許可をすることができるものとする。

(ア) カラス、カワラバト(トバト)等の鳥類の捕獲箱による捕獲の場合

(イ) 小型のはこわな又はつき網を用いて又は手捕りにより、アライグマ、ハクビシン等の小型の鳥獣を捕獲する場合で次に掲げる場合

a 住宅等の建物(塀や垣に囲われ不特定多数の人物が立ち入るおそれの少ない住宅等の敷地を含む。)内における被害を防止する目的で当該建物敷地内において捕獲する場合

b 農林業被害の防止の目的で農林業者が自らの事業地内(使用するわなで捕獲される可能性がある希少鳥獣が生息する地域を除く。)において捕獲する場合

(ウ) 被害を防止する目的で、巣の撤去等に伴ってハシブトガラス、ハシボソガラス等の卵の採取等をする場合

(エ) 農林業被害の防止の目的で農林業者が自らの事業地内において囲いわなを用いて獣類を捕獲する場合

 法、銃砲刀剣類所持等取締法等の法令に違反したことがないこと。

 狩猟者共済又はハンター保険に加入していること。また、被害の発生状況に応じて、共同又は単独による捕獲方法が適切に選択されていること。

(許可を受けた者への指導等)

第6条 町長は、捕獲等の適正な実施を確保するため、有害鳥獣捕獲の実施者等に対し、次の事項を指導するものとする。

1 危険防止・錯誤捕獲の防止関係について地域住民に周知を図るなど、危害の発生防止に万全の対策を講じさせること。

また、わな等の巡回確認を徹底させるなど、錯誤捕獲の防止に万全の対策を講じさせること。

2 銃器を使用して捕獲等を実施する場合、その地域ごとに捕獲隊を編成し、実施させること。

また、被害が複数の市町村にまたがって発生する場合は、適切かつ効果的な捕獲等を実施するため、共同して広域的に捕獲等を実施するなど、関係機関と連絡調整を行わせること。

3 捕獲等の実施に当たっては、許可証及び従事者証を携帯させるとともに、腕章の着用を徹底させること。

また、銃器以外の猟具等を用いて捕獲等をしようとする場合にあっては、銃器以外の猟具等を用いて捕獲等をしようとする場合にあっては、規則第7条第18項に規定された標識(金属製又はプラスチック製の標識に、1字の大きさが縦1センチメートル以上、横1センチメートル以上の文宇で記載)に、法第9条第12項及び規則第7条第17項の規定で定められた事項(住所及び氏名又は名称並びに町長名、許可の有効期間、許可証の番号及び捕獲しようとする鳥獣又は鳥類の卵の種類)並びに電話番号・許可年月日及び捕獲目的を記載し、その使用する猟具ごとに装着等を行わせること。ただし、捕獲等に許可を要するネズミ、モグラ類を捕獲等する場合であって、猟具の大きさ等の理由で用具ごとに標識を装着できない場合にあっては、猟具を設置した場所周辺に立て札等の方法で標識を設置する方法によることもできるものとする。

4 法人が行う有害鳥獣捕獲者の場合にあっては、従事者各人に対し捕獲期間、捕獲等の方法、捕獲鳥獣名及びその数量について指示の徹底を図るため、指示書を交付させるとともに、従事者に携帯又は着用させる従事者証、指示書及び腕章については、その日の捕獲等の終了後回収及び保管させるなど、適正な管理を図らせることとする。また、当該法人に従事者台帳を整備させること。

5 捕獲物又は採取物の取扱いについては、次のとおりとする。

(1) 捕獲物等の処理方法については、申請の際に明らかにするよう指導すること。

(2) 捕獲物等は、鉛中毒事故等の問題を引き起こすことのないよう、原則として持ち帰ることとし、やむを得ない場合は生態系に影響を与えないような適切な方法で埋設すること等により処理し、山野に放置することのないよう指導するものとする(適切な処理が困難な場合又は生態系に影響を及ぼすおそれが軽微である場合として規則第19条で定められた場合を除く。)。さらに、捕獲物等が鳥獣の保護管理に関する学術研究、環境教育などに利用できる場合は努めてこれを利用させること。

なお、捕獲した個体を生きたまま譲渡しようとする場合は、飼養登録の手続きをするよう指導すること(狩猟鳥獣を除く。)

(3) 捕獲物等は、違法な捕獲物等と誤認されないようにすること。特に、ツキノワグマについては、違法に輸入されたり国内で密猟された個体の流通を防止する観点から、目印標(製品タッグ)の装着により、国内で適法捕獲された個体であることを明確にさせること。

なお、捕獲個体を致死させる場合は、「動物の殺処分方法に関する指針」(平成7年総理府告示第40号)に準じ、できる限り苦痛を与えない方法によること。

6 許可証及び従事者証は、その効力を失った日から30日以内に返納させるとともに、捕獲等した鳥獣の種類別数量、性別(獣類のみ)、捕獲日、捕獲地点、処置の概要を報告(様式第8号)させるものとする。また、必要に応じて年齢、体長、体重、胃の内容物を調査させ、写真又はサンプル等を添付し報告させるものとする。

(配慮事項)

第7条 町長は、有害鳥獣捕獲の許可をしたときは、次の事項について配慮するものとする。

1 危険防止については、広報紙、有線放送等を通じ有害鳥獣捕獲の実施の周知や所轄警察署との連絡を密にし、危害の発生防止に努めること。

2 現場立会い等については、適正かつ安全な有害鳥獣捕獲の実施を期するため、現場立会い等の方法により有害鳥獣捕獲の実施者等を指導するよう努めること。

3 連絡調整については、被害の状況等から、他の市町村に及ぶ広域的な駆除を行う必要がある場合には、効果的な有害鳥獣捕獲が実施できるよう、関係機関と連絡調整を行うこと。

(実績報告)

第8条 町長は、許可をした者から有害鳥獣捕獲の報告(様式第8号)を受けたときは、年度ごと(許可期間の最終日を基準とする。)にとりまとめ、半期ごとにその写しを所長に提出するものとする。なお、第2半期分については、翌年度5月15日までに提出するものとする。

この要領は、公布の日から施行し、平成19年6月1日から適用する。

(平成22年告示第19号)

この告示は、平成22年4月1日から施行する。

(平成29年告示第39号)

この告示は、平成29年4月1日から施行する。

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皆野町有害鳥獣捕獲許可事務取扱要領

平成19年6月15日 告示第62号

(平成29年4月1日施行)