名称 | 所在地 | 指定日 | 公開 |
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国神の大イチョウ | 埼玉県秩父郡皆野町大字国神577 | 大正15年3月31日 | 自由 |
国神の大イチョウは、宝登山の麓、皆野町の中心部を一望する妙見平の地に位置している。樹齢700年を越えるといわれるイチョウの大樹は、目通り8.2m、高さ22.7m、枝張りは南北16.3m、東西12.7mを計る。 大イチョウの周辺には、かつて数基の古墳が所在したといわれており、このイチョウも知々父の、国造知々父彦命の墓の脇に植えられたものといわれている。東に40m程の地点には、一回り小ぶりなイチョウの木があり、こちらは、知々父姫命の墓の脇に植えられたという伝説が在る。実際にこの周辺の古墳から出土したといわれる土器や直刀が残されており、中でも国立東京博物館に所蔵されている環頭太刀の柄頭は、鳳凰の意匠が施され、銀象嵌も認められる非常に精巧な遺物である。
この場所は、毛の国(現在の群馬県)から児玉郡を通じて古墳文化が秩父盆地に流入する経路の一つと考えられる地点である。知々父へ赴任を命ぜられた知々父彦命が、当時の主要道である東山道を経て、毛の国から秩父盆地へ入国すると、最初に展望が開ける「国見の丘」と呼べる場所に当たっている。 イチョウの現況は、主幹の大部分が枯れた後、根際から新しく萌芽したものが、幹化し、一大株としてて繁茂したものである。