私は皆野町のまちづくりにおいて、職員と町民の皆さんが自ら手を挙げ、新しい挑戦に関わっていく姿勢を何より大切にしています。 町の取組を進めるにあたり、外側への発信、いわゆる「アウタープロモーション」ばかりに目を向けるのではなく、まずは町民や町内事業者といった内側に向けた情報共有や意識づくり、いわゆる「インナープロモーション」を重視しています。町の状況や課題、取組の意図を共有することが、共感や自発的な参加につながり、地域全体の動きを支える土台となります。 私は、小さなチャレンジから始めることが重要だと考えています。参加のハードルを下げ、より多くの人が関わる中で、一人ひとりが小さな成功体験を重ねていく。そうした積み重ねが、まちづくりを自分ごととして捉える人を増やしていきます。 現在、町では地域おこし協力隊や地域活性化起業人、集落支援員といった多様な立場の人たちの挑戦が、新たな動きを生み出しつつあります。地域おこし協力隊も少人数から始まり、経験を重ねた隊員の取組が広がることで、現在は12人体制となりました。祭りや地域行事への参加、地域の魅力発掘、生涯学習、子どもの居場所づくり、移住支援、有害鳥獣対策、観光の活性化、デジタル化支援など、さまざまな分野で地域とともに歩みを進めています。 一人ひとりの試行錯誤の積み重ねが、町を少しずつ前へと進めています。 私が特に大切だと考えているのは、「外からの新しい視点」「内からの挑戦」「町を支えてきた経験」が交わることです。そして、そのために必要なのは、「知ること」です。どれほど良い取組であっても、知らなければ関わることはできません。 地域おこし協力隊が中心となって始めた「みなFES」に足を運んでみる。「スマホ・パソコン相談会」でわからないことを聞いてみる。子どもも大人も一緒に食卓を囲む「みーなちゃん食堂」で食べてみる。まちの人の特技や想いに触れられる「みんなのしあわせ図鑑」を読んでみる。そうした一つひとつの体験が、まちづくりを自分ごととして捉えるきっかけとなっていきます。 私は、この万博を、単なる報告の場ではなく、町民や外部の関係者が思いを交わし、交じり合う場にしたいと考えています。立場や経験の異なる人たちが交わることで、新しいアイデアや協力関係が生まれ、町の未来をつくる力となります。 まずは知ること、関わること、体験することから始めましょう。その一歩が、皆野町のこれからを動かしていく力になると考えています。
私はこれまで、多くの地域が「アウタープロモーション」に偏りすぎていることに違和感を持ってきました。私自身、各地で『本来重要なのは、地域に暮らす人自身の生活を豊かにする「インナープロモーションである』というお話をしてきましたが、実際に町長が「インナープロモーション」という言葉を使うのを聞いたのは初めてで、大変嬉しく思いました。地域の魅力は外に向けて作るものではなく、内側での暮らしや関係性の中から自然に生まれるものです。日常の中での交流や小さな活動の積み重ねこそが、地域の本当の価値と持続性を育てていきます。 また、人口減少を過度に恐れる必要はありません。極端に言えば、活気のない5,000人より、生き生きと暮らす2,000人の方が価値がある。地域と関わり、支え合える人がどれだけいるかが重要であり、外からの関わりも含めて人の質とつながりを重視した地域づくりが求められます。 これからの地域づくりは、「人を増やすこと」ではなく、「地域に合う仲間をどう迎え、活かすか」が重要になります。定住にこだわらず、関係人口を広げていくことが鍵です。同時に、地域の慣習や仕組みを見える化し、必要に応じて見直していくことも欠かせません。まずは安心・安全といった基盤を整えることが前提です。その上で、楽しさややりがいを取り入れながら交流や活動を生み出していくことが重要です。多くの地域が感じている「このまま続くのか」という不安は、衰退がゆっくり進むために行動のきっかけをつかみにくいことにあります。だからこそ、再生するのか、衰退するのか、あるいはうまく着地するのか、早い段階で将来像を考える必要があります。 その中で、地域おこし協力隊のような外部人材は大きなきっかけになります。外から来た人との対話を通じて、「なぜここに来たのか」という視点から地域の価値に気づき直し、自信を取り戻すことができるからです。ただし、地域おこし協力隊は公共的な役割を担う存在であり、地域と十分にコミュニケーションを取りながら役割を果たすことが不可欠です。時には率直に意見を伝え合う関係を築くことも重要です。 そして最も大切なのは「代謝」の視点です。同じ人が固定的に関わり続けることが持続ではなく、人が入れ替わりながら新しい状態に更新されていくことこそが本当の持続です。そのためには、強すぎる結束ではなく、外から人が入りやすい「緩やかなつながり」を意識的につくる必要があります。 最終的に目指すべきは、外部人材に依存するのではなく、地域自身が主体的に動ける状態をつくることです。また、人の流出を否定するのではなく、外に出た人とも関係を保ち、「また関わってほしい」と言える関係を築くことが重要です。人の循環と関係の更新が、新しい地域の可能性を広げていきます。今まさにそのきっかけがある中で、地域がどう変わっていけるかが問われているのです。
経歴:徳島大学大学院教授。早稲田大学区理工学部建築学科、同大学院修了。博士(工学)。専門は都市計画、まちづくり。総務省「これから移住定住のあり方に関する検討会」委員、農水省「長期的な土地利用のあり方に関する検討会」委員など歴任。自身も徳島県下の農村に移住し、生活しながら研究、実践を行なっている。
普段の活動や町民と協力して行なった取組、デジタル化支援の実績などを発表しました。取組に関わった町民と再会し談笑する様子も見られました。
発表者:ものつくり大学ものつくり大学の学生は、「森林管理者の担い手不足」に焦点を当て、課題解決のために町民といっしょに行なった取組などについて紹介しました。来場者の中には「金沢地区の清掃活動に携わったため発表を聞きに来た」という町民も。
発表者:早稲田大学早稲田大学と連携して取り組んだ交換日記事業。中学生、若者、高齢者の3世代が手書きの言葉で交流を図り、心の距離を縮めることができました。
発表者:町教育委員会皆野教育シンポジウムでは、皆野中学校の生徒、企業、地域住民が一体となって「住み続けられるまちづくり」のために討論しました。その思いや成果を発表しました。
地域おこし協力隊とは出沼 惟代沼子 静煌宇田川 翔藤野 磨緒及川 博渡太田 絵美
東 廉太郎宇佐川 拓郎中嶋 仁岩佐 泉希平野 愛理四井 綾子株式会社デジタルラボみなの
地域活性化起業人・集落支援員
ものつくり大学十文字学園女子大学
オフィスプラス株式会社Freaks Garage明治安田生命保険相互会社
岡野 直樹さん(桜東風)うだまさしさん(木工作家)鈴木 宏卓さん(鈴風農園)根津 貴展(木彫と絵描)
出展者
秩父玄米納豆本舗丸信PIZZA AROMA奥我丸山商店寿司処みよしガッティ皆野食堂桜東風ホルモンながしま株式会社デジタルラボみなの十文字学園女子大学Freaks Garageオフィスプラス株式会社明治安田生命保険相互会社木彫と絵描PASTEL KITCHEN株式会社浅見商会Mahora稲穂山皆野高校海ノ民話のまちプロジェクト
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