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町長コラム

【町長コラム】なくしてはいけない「摩擦」

 先日、西武文理大学のハンサリ・ギオーム学長の講演で、印象に残った言葉がありました。
 「AIは『摩擦』を取り除く」
 生成AIを使えば、調べる、考える、文章にするといったことが驚くほど速くできます。一方、学長は「学習には『摩擦』が必要だ」と話されました。分からない。悩む。失敗する。やり直す。そうした試行錯誤の積み重ねが、人の学びや成長につながるのだと思います。
 「直感とは、圧縮された『摩擦』である」とも話されました。経験に裏打ちされた直感に、近道はないということです。
 この話を聞き、「働き方改革」にも通じるものを感じました。
 心身を壊すような過重労働や無駄な仕事は、組織としてなくさなければなりません。一方で、「自分自身が行う働き方改革」もあるのではないでしょうか。
 昨年2時間かかった仕事が、経験や工夫で今年は1時間になる。生まれた1時間を新たな学びや挑戦に使い、また成長する。
 では、AIによって2時間が1時間になることと、自分の成長によって1時間になることは、同じなのか。
 本来自分が経験すべき「摩擦」まで手放してはいないか。
 特に、これからの子どもたちには、悩み、失敗し、自分で考える時間も大切なのではないでしょうか。
 なくすべき「摩擦」がある。一方で、人を育てる「摩擦」もある。
 便利になることと、豊かになることは、必ずしも同じではありません。
 AIが「摩擦」を取り除く時代だからこそ、何をなくし、何を残すのか。私自身も考え続けたいと思います。

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